プラチナの純度や種類による違い【Pt850・Pt900・Pt950・純プラチナ】

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金・プラチナ

この記事では、プラチナの基本的な性質から、代表的な純度(Pt999, Pt950, Pt900, Pt850など)それぞれの特徴やメリット・デメリットについて、分かりやすく解説していきます。お手持ちのプラチナ製品の価値を知る上でも役立つ情報ですので、ぜひ参考にしてください。

プラチナの純度や種類による違い【Pt850・Pt900・Pt950・純プラチナ】

指輪やネックレス、ブレスレットなど、上品な白い輝きでジュエリー素材として人気の高い貴金属「プラチナ」。
金に「K18(18金)」や「K14(14金)」といった純度の違いがあるように、プラチナ製品にも「Pt950」や「Pt900」といった刻印があり、それぞれプラチナの含まれる割合(純度)が異なります。

結婚指輪や記念のジュエリーを選ぶ際、「どの純度のプラチナを選べばいいの?」「それぞれ何が違うの?」と迷われる方も多いのではないでしょうか。

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1. プラチナの基礎知識:特徴と「割金」の役割

プラチナのインゴットや原石のイメージ

プラチナの基本的な特徴と性質(色、柔らかさ)

プラチナは、元素記号「Pt」で表される貴金属で、日本語では「白金(はっきん)」と呼ばれます。その名の通り、上品で落ち着いた銀白色の輝きが特徴です。化学的に非常に安定しており、汗や温泉、薬品などによって変質・変色しにくい性質を持っています。

一方で、純粋なプラチナ(純プラチナ)は、金と同様に非常に柔らかい金属でもあります。そのため、そのままジュエリーとして使用すると、日常的な衝撃で傷が付いたり、変形したりしやすいというデメリットがあります。

なぜ合金にするの?「割金」の重要性とメリット

そこで、ジュエリーとして十分な強度を持たせるために、プラチナには「割金(わりきん)」と呼ばれる他の金属(パラジウム、ルテニウム、銅、イリジウムなど)が混ぜ合わされ、合金として使用されるのが一般的です。

割金を加えることには、以下のようなメリットがあります。

  • 硬度を高め、傷や変形に強くする
  • 加工しやすくなり、繊細なデザインや宝石の石留めが可能になる
  • 割金の種類によって、色味や光沢感を調整できる(純プラチナはやや黒みがかった銀色ですが、合金にすることでより明るい銀白色になります)

このプラチナと割金の配合割合(プラチナの純度)によって、製品の特性や価値、そして呼び方が変わってきます。


2. 純度別プラチナ解説①:Pt999(純プラチナ)とPt950

Pt999 (Pt1000) 純プラチナ:投資と特別なジュエリーに 純プラチナのインゴットやコイン

プラチナの純度は、質量に対するプラチナの含有率を千分率(‰ パーミル)で表します。つまり、純度99.9%以上のプラチナが「Pt999」と表記されます。かつては「Pt1000」と表記されることもありましたが、理論上100%の純度を達成することは不可能なため、近年はPt999表記が一般的です。(※Pt1000とPt999の間に品質的な違いはありません。)

純プラチナは非常に柔らかく傷つきやすいため、日常使いのジュエリーにはあまり向いていません。主な用途は、その価値を活かした投資用のインゴット(延べ棒)やコイン、あるいは後述する工業用です。

ただし、日本では「混じりけのない純粋な愛」の象徴として、あえて結婚指輪や特別な記念ジュエリーに純プラチナを選ぶ方もいらっしゃいます。その場合は、変形や傷に十分注意して扱う必要があります。

プラチナと金の違い(補足)

純プラチナの価値を考える上で、よく比較されるのが金(ゴールド)です。どちらも希少な貴金属ですが、性質や市場での評価には違いがあります。

  • 用途:プラチナは工業用需要(特に自動車触媒)の割合が高いのに対し、金は宝飾品や投資用の需要が高いです。
  • 価格安定性:金は「安全資産」として経済不安時に買われる傾向があり価格が安定しやすいですが、プラチナは工業需要に左右されやすく、金に比べて価格変動が大きい傾向があります。
  • 産出:プラチナは南アフリカとロシアで大半が産出されるという偏りがありますが、金は世界中で産出されます。

産業界で活躍するプラチナ

宝飾品のイメージも強いですが、プラチナはその優れた化学的安定性や触媒作用から、自動車排ガス浄化触媒をはじめ、ハードディスク、医療機器(カテーテル、ペースメーカー部品など)、化学プラントなど、実は産業界にとって不可欠なレアメタルでもあります。この工業需要の動向が、プラチナ価格に大きな影響を与えています。

Pt950:国際基準の品位とその特徴 Pt950の刻印があるプラチナリング

プラチナ950(Pt950)は、プラチナを95%含み、残りの5%にパラジウムやルテニウムなどの割金が配合された合金です。純プラチナに比べて硬度が増し、ジュエリーとしての加工に適した強度と美しい輝きを持ちます。

国際的な宝飾品業界の基準を定める「プラチナ・ギルド・インターナショナル(PGI)」では、プラチナジュエリーとして認められるのはPt950以上の純度のものと規定しています。そのため、ティファニーやカルティエといった海外の高級ブランドのプラチナジュエリーは、主にこのPt950が使用されています。

純度が高いため資産価値も高く、金属アレルギーも比較的起こしにくいというメリットがあります。一方で、Pt900などに比べるとやや柔らかいため、傷や変形のリスクは若干高まります。また、日本ではPt900が主流のため、海外ブランドのPt950製品のサイズ直しなどを国内の工房に依頼した場合、対応してもらえないケースもある点には注意が必要です。


3. 純度別プラチナ解説②:Pt900とPt850

Pt900:日本で人気の理由と特徴 Pt900の結婚指輪のイメージ

プラチナ900(Pt900)は、プラチナを90%含み、割金を10%配合した合金です。日本国内で製造・販売されるプラチナジュエリー(特に指輪)で最も一般的に使用されている純度です。

Pt950よりも割金の割合が多いため、より強度が高く、傷や変形に強いというメリットがあります。また、加工性にも優れているため、繊細なデザインにも対応しやすいです。価格もPt950よりは抑えられ、国内での流通量が多いため、サイズ直しや修理に対応してくれる宝飾店が多いのも利点です。

金属アレルギーに関する注意点(割金について)

純度が下がるにつれて注意が必要なのが金属アレルギーです。プラチナ自体はアレルギーを起こしにくい金属ですが、割金として使用されるパラジウム(Pd)などにアレルギー反応を示す方がいらっしゃいます。(イリジウム(Ir)やルテニウム(Ru)が使われることもあります。)Pt900は割金が10%含まれるため、Pt950よりはアレルギーのリスクがわずかに高まります。心配な方は、購入前にパッチテストを受けるか、より純度の高いPt950を選ぶことを検討しましょう。

なお、プラチナもパラジウムも変色しにくい金属なので、通常の使用でPt900のジュエリーが変色する心配はほとんどありません。

結婚指輪としての人気

日本では、その加工のしやすさ、強度、そして純度の高さと価格のバランスから、結婚指輪(マリッジリング)の素材としてPt900が最も人気があります。日常的に身に着ける指輪として、十分な耐久性とプラチナならではの品位を兼ね備えている点が支持されています。

Pt850:日本のプラチナジュエリー基準と特徴 Pt850のプラチナネックレスチェーン

プラチナ850(Pt850)は、プラチナを85%含み、割金を15%配合した合金です。日本の貴金属業界の基準(ISO国際標準化機構や(社)日本ジュエリー協会など)では、プラチナジュエリーとして認められるのは、このPt850以上の純度のものと定められています。

Pt900よりもさらに硬度が高く、強度や耐久性に優れているため、ネックレスのチェーンやブレスレットの金具など、細くて強度が必要なパーツによく使用されます。ペンダントトップはPt900、チェーンはPt850といった組み合わせも一般的です。

価格はPt900よりも手頃になりますが、割金の割合が15%と増えるため、金属アレルギーのリスクはPt900よりもやや高まります。購入時には素材(割金の種類)を確認するとより安心です。


4. その他のプラチナ純度と注意点

様々な純度のプラチナ製品のイメージ

Pt750、Pt585…知っておきたいその他のプラチナ合金

Pt850よりもさらにプラチナの含有率が低い合金も存在します。

  • プラチナ750 (Pt750):プラチナ含有率75%。金の18金(K18)と同じ比率です。強度は高いですが、日本の基準ではプラチナジュエリーとは認められていません。
  • プラチナ650 (Pt650):含有率65%。あまり一般的ではありません。
  • プラチナ585 (Pt585):含有率58.5%。金の14金(K14)に相当。近年、より安価なプラチナ代替素材として登場していますが、プラチナとしての価値は低くなります。
  • プラチナ505 (Pt505):含有率50.5%。京セラが開発した「ファーストプラチナ」などがあります。非常に安価ですが、資産価値としては期待できません。

Pt850未満の合金は、日本ではプラチナジュエリーとしての表記が認められていない点に注意が必要です。買取においても、プラチナとしての評価は低くなるか、買取不可となるケースもあります。


5. まとめ:純度を理解して賢く選ぶ・売る / 純度がわからなくても大丈夫!ウォッチニアンの買取

鑑定士がプラチナジュエリーの純度を調べているイメージ

プラチナジュエリーは、その純度によって特性(硬さ、色味、加工のしやすさ)や価値、そして価格が異なります。主な純度とその特徴は以下の通りです。

  • Pt999:ほぼ純粋。投資用が主。ジュエリーとしては柔らかい。
  • Pt950:国際基準。海外ブランド主流。純度と硬さのバランスが良い。
  • Pt900:日本で最もポピュラー。強度と加工性に優れる。結婚指輪に人気。
  • Pt850:日本のジュエリー基準下限。主にチェーンなどに使用。強度が高い。
  • Pt750以下:日本ではプラチナジュエリーと認められない。

購入時には用途や予算、アレルギーの有無などを考慮して純度を選び、売却時にはその純度が査定額に影響することを理解しておくと良いでしょう。


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